ぶどう整枝剪定方法

用語解説

●結果枝……今年ぶどうの房をつける枝のこと。来年には結果母枝となります。
●結果母枝……結果枝の出ている枝のこと。去年の結果枝でした。
●亜主枝……結果母枝の出ている枝のこと。荒皮に覆われています。
●主枝……幹からでている枝。
1.整枝剪定はなぜ必要か
整枝剪定には樹勢の調整、収穫予定収量調整、作業効率のアップと三つの意味があります。理想的な樹勢を実現するための剪定の強弱、結果枝から推測できる収量、H型整枝短梢剪定に代表される作業効率のアップ。といっても分かりにくいと思うので詳しくは以下、解説します。
2.剪定をする時期、剪定量
剪定をする時期は落葉した11月以降、枝を切っても水がしたたり落ちない頃です。枝の切り口が緑色であり、ねじれておらず、太すぎず細すぎないものが「良い枝」、茶色や乾燥気味であれば良くない枝です。
ぶどうなど、つる性の植物の場合、剪定量は80%を超えます。他の樹木に比べ剪定量が多いと考えてください。
剪定用具について
剪定ばさみはよく切れる道具です。親指くらいなら簡単に切れてしまいます。利き手が右手の場合、枝の近くに左手を添えてはいけません。一見ずぼらに見えますが、必要がない場合は片手で作業しましょう。枝が硬い場合は切り落とす側に左手を添え、自分の方向に引っ張ると切れやすくなります。また軍手も必須です。右手の親指の腹を止め軸付近で挟んでしまいます。
充電式剪定ばさみなど、電動化された省力化された剪定ばさみも存在しますが、取り扱いには十分注意してください。購入する場合は安全性を一番重視してください。

3.収穫予定収量調整について
ここでは基本的な雨除け栽培デラウェアの収穫予定収量調整について解説します。
ぶどう(デラウェア)では10aあたり1.5t(大粒系ぶどうは2t弱)の収穫が標準的とされています。これ以上房を作ってしまうと品質が落ち、これ以下だと経営が成り立ちません。予定収穫量を調整する方法が剪定なのです。さて、具体的な方法に移りましょう。
結論からいくと2M×2M四方に結果枝が10本あればよい、ということになります。詳しい計算方法についてはこちらをご覧ください。
今回は述べませんが、加温ハウス、超早期加温栽培で1.5tの収量を目指すためには栽植密度を極端に多くしておく必要があります。
剪定方法ですが、一つの結果母枝につき一本の結果枝を5芽残せばよいです。
剪定場所は節と節の中間です。芽の近くで切ると寒さと乾燥で芽が傷んでしまいます。特に寒い地域では犠牲芽(6芽目のすぐ先で剪定、6芽目を犠牲とし、5芽目を保護する)を作る必要もあります。
一つの結果母枝につき一本の結果枝というのは原則です。結果枝が細い場合、結果枝を2本残しても構いません。この場合、結果枝1本から1または2本の新梢を出させることになるので3ないし4芽で剪定します。また先端の場合、8芽以上残して剪定することもあります。
以上が間引き剪定の基本的な方法です。以下、切り戻し剪定について解説します
このような栽培を続けていると枝がどんどん長くなっていくことが容易に理解できるかと思います。途中で枯れが発生し、延々と伸びた枝の先に1本の結果枝しかない、などということも起こります。これは空間の無駄なので枝の分かれている部分までさかのぼり切り落としてください。
3年以上前の枝を切り落とすことを切り戻し剪定、と呼びます。実際の栽培では間引き剪定と切り戻し剪定を組み合わせ、無駄な空間をなくし、必要な結果枝を確保できるように努力します。

剪定では「夏になればどのように枝が出るか」を考えなければいけません。新梢が重ならないか、空間が空かないか、全ての芽が同じくらいの伸び方をするか常に考えましょう。時には弱そうな枝を残すこともあります。剪定に正解はありません。「なぜその枝を切ったのか」を常に論理立てて説明することができることが大切です。
慣れてくると亜主枝単位で枝振りを考えます。最終的には隣の樹、園全体を考えて剪定します。

3.樹勢の調節について
樹勢の強い樹の場合、結果枝をたくさん確保し、剪定量を少なくします。これを弱剪定、と呼びます。樹勢が強い=たくさん実をならせても大丈夫、ということになるので剪定量が少なくてよいのです。
一方で樹勢の弱っている樹の場合、なるべく多く剪定しておく必要があります。これを強剪定と呼びます。切り戻し剪定を活用し、結果枝の数を少なくしておきましょう。
長梢剪定、短梢剪定、大阪型短梢剪定
ここから先は樹形のお話です。
毎年結果枝5芽を残して剪定すると枝が毎年5芽分伸びていきます。これを「長梢剪定」と呼びます。枝が長くなる傾向にあるので「長枝剪定」と呼べるかもしれません。実はここまで述べたことは全て「長梢剪定」のお話でした。
一方、毎年残す芽の数を2芽程度にしてしまう剪定方法もあります。これは「梢」が短いので「短梢剪定」と呼びます。剪定方法はいたって簡単。2芽を残して全部切り落としてしまえばよいのです。
枯れこみが入り、結果枝を確保できなくなってしまった場合、適当な場所から結果母枝を返してきます。
長梢剪定と短梢剪定の特徴をまとめます。
特徴5芽剪定2芽剪定
    長梢剪定短梢剪定
樹勢弱〜中強い
整枝方法X字などH型など
樹形の作りやすさ簡単で考えなくともよい面倒くさい
作業効率悪い。熟練を要する非常によい
主枝が枯れたら……なんとでもなるどうしようもない

4.大阪型短梢剪定
大阪型短梢剪定とはおおざっぱに言うとX字型仕立て短梢剪定、長梢剪定の先に短梢剪定がひっついている、というものです。作業効率の飛躍的アップ、反収の増加が見られます。

※デラウェアの栽培についてはこちらをご覧ください。

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