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ぶどう新品種紹介

ぶどうの新品種
りんごの「ふじ」、なしの「二十世紀」に代表されるように果樹には代表的な品種、というものが存在します。ぶどうではどうでしょうか。「デラウェア」「巨峰」「マスカット」。ご存知の品種がいくつかあるかと思いますがこれといったヒット品種がないのがぶどうの特徴といえます。このため日本ではぶどうの新品種を作成することを課題としています。新品種開発の方向性としてこれまで「作りやすい大粒種なし(ジベレリン処理をせずに)ぶどう」というものが一つの目標でした。「安芸シードレス」はその代表といえるでしょう。しかしながら時代は変化し、現在消費者の求めているぶどうは「マスカット香を持つ甘い品種」となってきているといえます。そこでここでは現在市場に出回ることのない試験研究段階のぶどうの新品種を中心に紹介したいと思います。
シャインマスカット

シャインマスカットは作りやすく、酸の少ない甘い青色系ぶどうとして開発され、市場に出回る予定でした。ところが出回る直前に苗木から潜在的な植物ウイルスが発見され、新品種普及の予定は中止となってしまいました。現在では試験場にてウイルスフリー化の開発がおこなわれています。一方、シャインマスカットの栽培は「現地試験」として限られた農家の協力の下、おこなわれています。ただし、出荷販売はされていません。
シャインマスカットは作りやすい品種、といわれています。写真の房は摘粒をせずに作った有核のものです。房をつけた新梢は房先の葉数8枚くらいで自然に止まってしまいます。糖度は15.2でした。マスカット香があり、酸度が非常に低いので十分な糖度で食味は良好でした。日当たりと栽植密度が適度にあれば作りやすい品種といえるでしょう。

一方、こちらの写真は露地栽培で作った例です。黒とう病、晩腐病が大量に発生しています。大粒系のぶどう全て、特に欧州系のぶどうについていえることですが必ず雨よけレベルの施設のあるところで栽培しましょう。次の写真はシャインマスカットを無核処理(ジベレリン処理、方法は巨峰に準じる。この房はフルメット5ppmを加溶)したものです。
 粒の形がラグビーボール状になっていることがわかるかと思います。巨峰などでジベレリンを過剰に処理した場合、粒の形がとがってしまうという実験結果がありますが(ジベレリンは農薬です。必ず要録の範囲内でお使いください)、シャインマスカットにも似たような傾向があるのかもしれません。 以上、シャインマスカットの紹介でした。予定では平成19年から苗木の販売を開始できることになっています。 ここでご注意いただきたいのですが現地試験は販売を目的としたものではなく、また経営を視野に入れたものでもありません。シャインマスカットで経営を視野に入れた栽培をおこなった場合、果たして「作りやすい」のかどうか未知数です。
安芸津ナンバー系統
25,26,27号
前述のシャインマスカット、実は広島県の安芸津試験場で育種されたもので品種登録される前は「安芸津23号」と呼ばれていました。このように品種として登録される以前のものを「系統」と呼び、「試験場名+○号」という実に味気ない名前で呼ばれています。ここでは大阪府食とみどりの総合技術センターにて栽培されている試験段階の系統について紹介します。なお、ここに挙げる系統については近い将来「運がよければ」採用されるかもしれないレベルです。

安芸津25号はシャインマスカットに似た品種です。
 26号は赤色品種。赤色品種は色がつきにくいとの問題を持っていることが多いですがこれは色づきがよいようです。
 27号は大きな粒をつけます。色つきが悪いという欠点を持っていますが品種検討の結果、一番の好評を博しました。
紅三尺

このようなぶどうもある、ということで。名前のとおり1M近いぶどうの房です。重さは4kg程度。栽培農家さんのお話によると1kg1000円で販売とのことです。見た目がかなり面白い品種なのでそれなりに売れる、とのことです。気になる味のほうですが決して悪くはありません。大味ではなくさっぱりした感じの食べやすい品種です。海外ではこのように大きな房をつけるぶどうも決して珍しいものではないようです。
リザマート

おいしい品種です。大粒で特徴的な形をしております。さっぱりした感じからサラダに入れる、凍らせてシャーベットのように食べるといった多種多様な食べ方ができるぶどうです。皮ごと食べることができ、実の弾力が従来のぶどうとは思えない感覚を形成しています。ただし、リザマートの特徴として非常に裂果しやすい、という性質があります。たった一度の夕立で裂果が生じ、全滅することもあります。「雨の音を聞いただけで実が割れる」などと冗談をおっしゃる方もいらっしゃいますがリザマートに関しては雨による裂果が最大の問題となっています。今年のように雨が多い年では皮の伸び縮みを繰り返しているので比較的裂果を起こしにくい、といわれていますが雨が降りそうであれば下にマルチ、普段から根域制限、幹を半分切るなどの方法を取ることが必要となってきます。
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